大判例

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仙台高等裁判所 昭和25年(う)148号 判決

(イ) 原判決が累犯となるべき昭和十八年四月十六日確定の窃盜罪の前科のほか、累犯とならぬ昭和十六年六月十日確定の詐欺罪の前科をも掲記していること所論のとおりである。しかし、原判決の擬律をみるに、刑法第五十六条第五十七条により、再犯の加重をしているのであつて、三犯加重の規定たる同法第五十九条を適用していないのであるから、前記累犯とならぬ前科は、単に情状として、記載した趣旨であると解するのが相当である。

従つて、原判決の記載は妥当ではないけれども、所論のように、累犯加重の原因とならぬ前科に、累犯加重の規定を適用した違法は存しない。

(中略)

(ロ) 司法警察員が、被告人を逮捕した当時、被告人に対し弁護人を選任することができる旨を告知したと認めらるべき資料が、本件記録上、存しないこと所論のとおりである。しかし、それは、原審において、弁護人がその点を争わないので、検察官もその告知の記載があるとみられる弁解録取書の取調請求をしなかつたため、それが記録に編綴されていないのに、過ぎないことが窺われる。されば、記録上その資料がないことの一事を以て、所論のように、刑事訴訟法第二百三条所定の告知をしなかつたと断ずるを得ない。

仮に、所論のように、右の告知をしていなかつたとしても、それがため、直ちに、被告人の司法警察員に対する供述調書がその証拠能力を失うものではない。加之、原審第六回公判調書によれば、弁護人は所論の被告人の司法警察員に対する供述調書を証拠とすることに同意しているのである。

されば、原審が右供述調書を証拠に採用したとて、毫も、所論のように、採証法則の違背乃至は理由不備の違法はない。

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